2年に一度「税金対策で車を買う」コロコロ車乗り換える人の裏側

元プロによる「車の話」
shiba inu dog in car

税金対策として車を買う

個人事業とか一人社長で法人化している人にとって、社用車として車を買って経費として税金対策するのは定番の話。

車というのは一般に新車であれば6年で減価償却していく。600万の車を買えば、1年ごとに100万づつ経費計上していき、6年後には法定資産価値はゼロになるというものだ。

中古車であれば経過年数によって減価償却の期間が短くなる。2年落ちの中古車であれば、4年かけて経費を消化していくことになる。

一応税制上では、古い車でも最低で2年の償却期間が必要となっているから、10年落ちの車を買ったとしてもその年ですべて経費扱いにはできない。

これを踏まえて税金対策で車を買うなら、4年落ち以上の車を買えば、最もいいコンディションの車に乗りつつ、最短の2年で経費消化していけることになる。

このため税金対策として車を買うのであれば、2年ごとに4年落ちの中古車を乗り換えていくことで、うまく経費消化しながら色々な車に乗れるということになる。

Businessman handing forward a car key and smiling

昔車販売の営業をしていた時に不思議に思ったものだ。超流行っている歯医者さんなのに、新車は買わずに2年ごとにコロコロ中古車ばかり買い替えてくれるお得意さんがいた。今思えば完全な税金対策と趣味を両立させていたのだろう。

例外としてリース契約で車を買う場合には100%経費計上できることになる。リースはあくまでも所有権がリース会社にあり、お金を払って借りているという「物融」となるため借主に資産として税金を払う必要はない。事業として商用バンとか移動用の車を割り切って用意するときにはリースの方がメリットがある。この話はまた別の機会に詳しく書こうとも思う。

車に興味がない人にとっては、コロコロ車を乗り換えるのはいかがなものかと思われるが、車好きで色んな車に乗りたいと思うならばこの仕組みは結構ありがたいもの。

もちろん税金対策しなければいけないほど利益が出ている場合に限る。無理に2年ごとに乗り換えなくてはいけないというものではないし、他にしっかりしたお金の使い道があれば話は別。

しかし、個人で細々やっている場合、ビジネスの形態によってはあまり経費を掛けなくても回ってしまうことも多い。そんな時に車というのは一つの経費を使うことの選択肢になるということだ。

私の場合は、運営するインターネットメディアからの広告収入がメイン。維持費って思いのほかかからないし、仕入れなどをしない広告ビジネスであるため利益率が異常なほど高い。色々投資をすることもできるが、一度に大きな額の投資というのは難しかったりもする。いざふたを開けてみるととんどもない額の税金を支払わなくてはいけないということにもなるのだ。

なんだかんだ言って7年間自動車ディーラーにいたからには車が大好きなのだ。一時期は一人で3台とか所有していた時もある。さすがに今はそんな無茶しないが、次はどんな車に乗ろうかと考えるのが楽しい。

車はある意味でモチベーションの一つでもある。車を買った瞬間には、もう次にどんな車を乗ろうかとも考えていたりする。次はもっといい車に乗ってやるという、時代遅れともとらえられる価値観が私の原動力にもなっている。古き良き昭和のステータスの代弁者でありたい。