ローコスト住宅の建売物件を内覧するも冷静に考えてみたこと

新築一軒家を建てる
Residential area

家を買おうと思って住宅展示場を回り、情報を収集すること2ヵ月。知識が付いてくるにつれ、家づくりにかかる手続きの猥雑さや、費やす時間と労力の多さに早くも疲れてきてしまいました。

ここで目を向けたのがローコスト住宅。分譲地に複数件売りに出されている建売住宅で、土地付きの家を買うだけという手軽さに惹かれました。

不動産屋が土地をまとめ買いし、さらに小さく小分けしたうえで一般的な間取りの家を建てている。一般的なハウスメーカーでは見ないような地元のメーカーがほとんどですが、とにかく低価格で出ているうえに土地付きですでに建っているものを買うため即入居できる。猥雑な手続きを経ることなく家が買えるとあって興味が湧いてきました。

たまたま今住んでいる家の前にもローコストメーカーの分譲住宅が立ち、一瞬で売り切れて行く様を見ていました。住んでいる人の話を聞くに何の不満もなく、夏涼しく冬暖かいし充実した生活を送っています。これならいっそローコストの分譲住宅でもいいかと思い始めたため、早速複数のメーカーに電話を入れて内覧をさせてもらうことにしました。

しかし、いざローコスト住宅を内覧してみると、これはこれで色々と不満点が見えてきて再び冷めてしまうという状況に。私がローコスト住宅で妥協できなかった点について書いてみます。

防音・断熱、いびつな土地、営業方針の疑問

ローコストたるゆえんか?壁が薄く防音性能はあまりよくないかも

いざ内覧を進めていくと、メーカーは違えど共通しているのが見えてきました。

・・・なんか壁薄くない?

・・・なんか妙に音が響くんだけど

子供が舞い上がってはしゃいでくれたおかげで気づいたことがあります。壁の薄さからか素材の違いか分かりませんが、妙に音が響くのです。2階にいると子供が走るたびに振動がおき、どんどんと音が響き渡る。まるで薄い板の上に乗っているかのような感覚です。

一軒家だし外にさえ音漏れなければいいとは思うのですが、使われている素材のチープ感を目の当たりにしてしまって、これがローコストと言われるゆえんかと思ってしまいました。

この辺は感じ方の違いなので、人によっては十分妥協できる範囲なんだと思います。ただ比較対象としたものが今借りてる借家でそこそこしっかりした家だったので、どうしても気になってしまいました。

内覧日は雪が舞う寒い日でしたが、断熱性能は高いようで築30年の住家と比べても性能の進化を感じました。エアコンなしでがらんどうの室内でも寒さは感じない。

住むという点では十分妥協できそうでしたが、家そのもの以外にも懸念点はでてきたのです。

土地そのものの価値を下げるような売り方に疑問を感じた

ローコスト住宅で必ず気になるのが、いびつなほどカツカツに区切られた土地です。

車は縦に2台しか止めれなかったり、奥まった通路を通らないと玄関にたどりつけなかったり。当然そういった違いで価格も変わるわけですが、これについて思うことがありました。

本来、家+庭が付くような土地を強引に区切り、30坪ほどの家+駐車場付きの家を建てているのが目立ちます。これは地域性もあると思いますが、私が住んでいる名古屋近辺は一様にこのような区分けでした。

ふと冷静に考えてみると、将来的に価値が残るのって「土地」なわけです。もし資金的に立ち行かなくなったとき、売りに出すときに価値が残るのは上物ではなく土地の方であるはず。そう考えたときに、わざわざ土地の方をいびつに区切り、明らかに売りにくい状態にしてしまっているのはどうなんだろう?という思いが強くなっていきました。

そもそもターゲット扱いされてない?謎の営業対応

謎だったのがローコストメーカーの営業さんの対応が一様に独特だったのがあります。

一通り話が盛り上がってくると必ず予算的な話題になるのですが、ここで思わぬ対応をされました。

「頭金は1000万くらい出すか、一括で払うことも考えています」というと、一様に「え?何言ってんだこいつ、ホラ吹いてるのか?」的な反応を示されたのです。

これ1社だけの話ではなくて、3社異なるメーカーさんで共通していました。皆同じように意表を突かれたような感じで、以後熱意が薄れていくのです。

もしローコストを検討している人がいたら失礼に当たるかもしれないのですが、ある程度購入資金があって住宅選びにこだわりがあるような人はターゲット扱いされてないのか?とも感ぐってしまいます。

出来上がった箱に不満なく、ノンクレームノーリターンで受け渡しができそうな層、フルローン組むつもりで家を検討しているような人だったら何かしら食い込んだ営業をされたのかもしれません。

まるで金があるならとっととハウスメーカーで建ててくれ…的な感じ。深読みすれば、既存の作りに妥協できないこだわりがある人はクレームがつくといやだから敬遠しているというような印象を受けてしまいました。

お金があるというのを知った時点で音沙汰が無くなるのも、営業対応としてはいかがなものかと思ってしまったわけです。

振り出しに戻って土地探ししようという話に。。。

土日を利用して家族総出であちこち回ったわけですが、何とも微妙な感じでモンモンとした気持ちが残ってしまいました。

こういうのって一度ケチがついちゃうとダメですよね。妥協してもいいと思っていたことが覆ると、もう意識がそこから離れません。

改めて分譲住宅を探すにしても9割近くはローコストメーカーの市場であるし、条件を絞った中で探したとしてもネットで調べている程度ではそうそういい物件に巡り合えませんから。

かくしてマイホーム計画は再び振出しに戻る。

ここで改めてマイホームに求める譲れない条件を妻とともに出しました。

  • 断熱性能高くて床暖房も欲しい(妻)
  • 自宅で作業できる独立した仕事部屋は絶対に欲しい(私)
  • 仕事部屋は1階に設置して2階に立てこもらないように(妻)
  • 土地が不自然でなく釣りのボートを洗える広さの庭欲しい(私)

・・・うーん、そんなに大した条件でもないのですが、結局この条件を満たしたものを手に入れるには、土地探して注文住宅建てるしかないよね…ってことになりました。

手続きの面倒さから逃げて乱立する建売りローコスト住宅に目が行ったわけですが、ある意味では譲れないものが明確に整理できたわけで無駄にはならなかったと思います。

面倒でも色々見てみるのは大事ということですね。家を建てるときは資金が貯まってからではなく、早めに余裕をもって計画をしていくことをおすすめします。