電子タバコとして一世を風靡し、ブームの先駆けともなったiQOSアイコス。ちょうど1年前に名古屋のIQOSショールームで購入をした。
従来の水蒸気だけ出るオモチャのような電子タバコとは異なり、ニコチンを取り込めるれっきとしたタバコ。タバコの葉を燃やした煙ではなく、熱線で「蒸した蒸気」を吸う仕組み。評判通り本当にニオイがなくてても口も臭くならない。
嫌煙の声が高まって喫煙者の肩身が狭くなる一方で、愛煙家の最後の砦と言わんばかりに人気が高騰している。
今回は、丸1年IQOSアイコスと付き合い続けたということで、良かったことや悪かったことをエピソードとともにまとめてみることにした。
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IQOSアイコスを1年吸って良かったこと
IQOSアイコスで最も衝撃なのは、ニオイが本当に少ないことだ。
よく嗅げば独特な香りはするのだが、部屋の中で吸っても空気清浄機が一切反応しないのは驚いた。つまり空気清浄機が認識するような、煙や悪臭の類はでていないことになる。
実は私はタバコを吸うにもかかわらず、あの臭いタールの焦げた臭いが苦手だった。口のみならず、タバコを持っている手にも臭いが付くし、服も臭くなる。自宅では黙認されてはいたものの、妻にも臭いは嫌がられたのでファブリーズが必須だった。これがアイコスに変えてからはニオイを指摘されることがなくなった。
飲みの席などでアイコスは非喫煙者への配慮にもなった
ニオイがないということは、お酒の席などタバコ吸う人吸わない人が混在する場所で配慮できることがある。2016年現在はまだまだ飲み屋はほとんどが喫煙可能な場所。集まりで飲むときは、たいていは喫煙者とそうでない人が入り混じるため、どうしても吸わない人を考えて遠慮する場面もあった。
ここで普通のタバコではなく、アイコスを吸うことで一定の配慮となっていた感もある。
もちろん蒸気にはニコチンが含まれているわけなので影響はゼロではない。しかし、隣の席の人が吸わない人であっても、全然タバコ臭くないと驚かれることが多かった。喫煙者の一方的な見方でしかないが、あのまとわりつくような煙を放出しないだけでも影響は小さくできたのではないか。
今では飲みの席だけは普通のタバコを控え、アイコスを吸うという切り替えをしている人も目立つ。喫煙者だけが集まるような場所では普通のタバコに火をつけるなど、TPOに合わせて使い分けをしているような人が多くなっている印象。
こうした非喫煙者への最低限の配慮という観点も、需要が高まる背景としてあるのではないかと思う。
火を付けないので火災の心配がない
アイコスは火をつけて燃やすタバコではないため、タバコによる火災の心配がないというのも一つのメリットであるかなと思う。
吸い終わったすぐは熱せられているので熱くなっているが、手で持っても火傷するレベルではない。吸殻をもみ消す必要もないし、水で完全消化をする必要もない。
車でタバコを吸うときにも、火の着いた灰がシートを焦がす心配もない。車の窓を閉め切って吸っても、アイコスならば臭いが気にならないし車内にタールの色が付かないのもメリットになる。
今までタバコを吸うことにより発生していた副次的な害がアイコスによって解消されたのは、個人的には大きなメリットだった。
IQOSアイコスで感じたデメリットや悪かったこと
IQOSアイコスを吸い続けてきたわけだが、当然良かった話ばかりではない。個人的にデメリットと言えるようなことや、悪い方向へ行ってしまったことについてもまとめてみる。
ニコチンの濃度は高い?決して健康に害がないわけではない
IQOSアイコスで一番腑に落ちないのは、ニコチンの濃度が分からないこと。
一般にタバコはニコチンとタールの濃度が記載されており、それによってタバコの濃さ・吸ったときのキツさが変わる。
しかしアイコスは濃度の記載がない。メーカーに問い合わせても「アイコスは蒸気で蒸すタイプなので、吸う人の吸引度合いによって変わるためニコチン濃度が記載できない」とか言われてしまう。
体感的には、おそらく一般タバコの5㎜から8㎜程度の感覚。私はいつもキャスターのスーパーマイルド3mmを吸っていたが、それよりも確実に濃い。つまり弱いタバコを吸っていた人は、吸ったときの負荷が大きく、確実に多くのニコチンを摂取していることになる。
禁煙のためのステップとしてアイコスを始めよう・・・みたいな人もいるみたいだが、全く意味ないのでやめた方が良い。
また、気軽に吸えてしまうことから本数は増えてしまった。
今まではタバコは部屋では吸わず、ベランダで吸う蛍族であった。しかしアイコスに変えてから部屋の中で吸うことに躊躇がなくなり、その分吸う機会が増えてしまった。これは確実にニコチン依存を加速させているともいえる。
タバコ・・・と見ると物足りない部分はある
アイコスは煙を出さないことで、ニオイが少ないメリットはある。しかしながら、吸っている・・・という感覚に乏しいのも事実としてある。
現に知人の多くは完全にアイコスに切り替えた人は少ない。一般のタバコも持ち歩きつつ、気分によってアイコスも吸うという二刀流をしている人が圧倒的に多いのだ。
私自身も完全にアイコスに切り替えたわけではなく、喫煙者で集まっているときなどは普通のタバコを吸ってしまっている。
これがいいのか悪いのかは個人の判断次第だが、単に流行っているからみたいな感覚で手を出しても、すぐに物足りなさで飽きてしまう人が多いのではないかと思う。
バッテリー系のトラブル多発!予備は必須?
アイコスをはじめとする電子タバコの宿命として、バッテリーや装置の電子的不具合によるトラブルは避けられないデメリットになる。
アイコスの場合は本体のスティックに1本吸う分の電力を蓄え、電熱でタバコの葉を加熱する。このシステムにトラブルが多く、満足に吸えないこともしばしばあった。正常に充電されていなかったり、過熱が不十分で吸っても蒸気が出てこないというトラブルは頻発している。
このためアイコスそのものを予備として持っている人も多かった。スティックの充電には1回あたり10分ほど要するので、続けて吸いたいヘビースモーカーにとってはもどかしい場面もある。
手軽に火をつけて吸うというものではないため、荷物も増えるしトラブルが起きては吸えなくなる。これが理由でアイコス離れをしてしまう人もいるのが現状の課題だと思う。
アイコスが壊れたら早めに保障の申請をしていこう
アイコスは1年間の保証があるため、現状はトラブルが起きれば無償で交換をしてくれる。
私も先日、いよいよ充電が怪しくなり、2、3回吸っただけで切れてしまう状況に陥った。アイコスの公式のサポートに電話をすれば、保証期間内であれば快く交換に応じてくれる。しかも市場に売ってるものとは別で確保しているのか、電話して2、3日後には発送してくれるので安心だ。
どうやらトラブルが予想より多かったために、故障機器のサンプルをできるだけ多く集めたいという意図もあるらしい。トラブルが起きたら早めに交換してもらうことをおすすめする。
電話が混雑してつながりにくいとは言われていたが、5分ほど待ってオペレーターに繋げてもらえた。時間やタイミングにもよるかもしれないが、混みそうな月曜日やお昼時を外すことができれば繋がりやすくなっていると思う。
IQOSアイコスについてのまとめ
アイコスを1年吸い続けて、感じたことを思いのままに書き連ねてみた。なんだかんだ言ってアイコスは手放せない存在になっており、個人的には気に入って使っている一人。今後も電子タバコの人気は加速していくと思うが、良い点もあれば悪い点もある。機械的に悪い部分は今後改善されていくものと思われるが、何より大事なのは吸う人の意識次第ということ。嫌煙の波も今後加速するばかりだが、一愛煙家としてアイコスが共存するための一つのキーとなってくれればこの上ない限りです。
余談ですが、実は上で書いた以外にも、致命的なトラブルを経験している。完全に自業自得だが、海で釣りをしているときに船の上から本体スティックを落としてしまったのだ。普通のタバコなら1箱買い直せばいいが、アイコスはそうもいかない。しぶしぶ2台目を購入する羽目になってしまったのだ・・・。定価で買っても安い買い物ではないし、品薄で高値高騰のご時世、本体の紛失には十分ご注意を。